「リングV:ナイト・オブ・ザ・サムライ」記者会見、リヤドで開催 日本とメキシコのボクシングスターが集結、今週土曜の大一番を前に

 

サウジアラビアの首都リヤドで25日夜、「ナイト・オブ・ザ・サムライ」の公式記者会見が行われた。ブールバード・シティで開催されているファイトウィークの一環として実施され、国内外の多くのメディアとファンが詰めかけ、今週土曜日に予定されている注目の一戦に出場するスター選手たちが一堂に会した。

 

記者会見の冒頭で、プロモーターのエディ・ハーン氏が来場者を歓迎し、サウジアラビアにおけるボクシングの急速な発展について言及した。過去2年間にわたる「リヤド・シーズン」と『ザ・リング』誌の協力関係は、同国が世界的なボクシング拠点へと変貌を遂げていることを象徴していると述べ、その原動力として、総合娯楽庁(GEA)長官でありサウジ・ボクシング連盟会長でもあるトゥルキ・アルシェイク閣下のビジョンを高く評価した。

 

ハーン氏は、今大会のカードについて「王国で開催された中でも最も充実した内容の一つ」と表現。「ナイト・オブ・ザ・サムライ」は日本の武士道精神を体現するだけでなく、激闘を信条とするメキシコ・ボクシング特有の激しさも併せ持つ大会になると強調した。

 

また、メインおよびセミファイナルの高い競争力にも触れ、主要4選手が通算105戦無敗という極めて稀な戦績を誇っている点を紹介。リヤドはすでに世界的なボクシングの開催地として確固たる地位を築いており、これまで多くのパウンド・フォー・パウンド級のトップ選手が同地で戦ってきたとした上で、井上尚弥と中谷潤人が今回、満を持してこの大舞台に登場することの意義を強調した。

 

『ザ・リング』誌のCEOであるリック・レノ氏は、今大会を「日本ボクシングの現在と未来を示すショーケース」と位置付けた。日本人選手に注目が集まっている一方で、挑戦者側、特にアラン・ピカソとセバスチャン・エルナンデスも、番狂わせを起こす準備は万全だと語った。

 

会見では、日本王者の井上尚弥とメキシコの挑戦者アラン・ピカソの間で緊張感あふれるやり取りも見られた。サウジアラビアの伝統衣装を身にまとって登場したピカソは、温かい歓迎への感謝を述べ、主催者および『ザ・リング』誌に謝意を示した。その上で日本と井上陣営を称えつつも、「今週土曜日はサムライの夜ではない。アステカの夜になる」と宣言。タイトルのためだけでなく、自身の人々と文化を背負って戦うと語り、勝利への強い決意を示した。

 

これに対し、井上尚弥はベルトがメキシコに渡る可能性を明確に否定し、「それは起こらない。100%あり得ない」と断言。この試合が自身のスーパーバンタム級でのキャリアにおける重要な節目であり、パウンド・フォー・パウンドの頂点を確固たるものにするための一戦であると説明した。また、出場する日本人選手全員が「勝利して帰国する」という同じ覚悟を共有していると語った。

 

会見には寺地拳四朗も出席し、開催国への敬意を示すためサウジアラビアの伝統衣装で登壇し注目を集めた。寺地は今回の試合がキャリアにおける重要な機会であると述べ、万全の準備を整えていると自信を示した。将来的なジェシー・ロドリゲスとの対戦について問われると、まずは目の前の一戦に集中しているとしつつ、リヤドでの勝利がさらなる大舞台への道を開くと語った。

 

会見の最後には、メインカード出場選手によるフェイスオフが行われ、カメラのフラッシュが飛び交う中、試合当日への期待感が一層高まった。

 

今回の記者会見は、明日に予定されている公式計量を前にしたファイトウィークの重要な節目となった。「リングV:ナイト・オブ・ザ・サムライ」は今週土曜日、ブールバード・シティ内のモハメド・アブドゥ・アリーナで開催され、世界中の注目が集まる中、最高峰のボクシングと記憶に残る一夜が期待されている。

 

 

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